工学研究科長挨拶

工学部長・工学研究科長 長﨑 健
工学部長・工学研究科長
長﨑 健

大阪に根を張った伝統と時代に適合した変革を

我が市大工学部

 大阪市立大学工学部・工学研究科は1907年(明治40年)に設置された市立大阪工業学校を源流とし、1949年(昭和24年)の学制改革により大阪市立大学理工学部として発足しました。その後1959年(昭和34年)理工学部が工学部と理学部に分離独立し、創立から現在にいたるまで百年を超える長い歴史を有する高等教育機関です。一言でその特徴を表すとすると、「都市に立地したものづくりと先端研究を教育の基礎とし、少人数制によるきめ細かな指導により、次世代創造に貢献できる技術者・研究者の育成を行っている」工学部・工学研究科です。工学部に分離独立後、今日まで10339名の学士、5408名の修士、827名の博士を社会に送り出しています(2018年3月時点)。その中には、小松製作所元代表取締役坂根正弘氏、ニプロ代表取締役社長佐野嘉彦氏、京阪電気鉄道代表取締役社長中野道夫氏、シグナルトーク代表取締役社長栢孝文氏等を代表とする数多くの著名人を世に輩出し社会貢献を果たしてきました。

今こそ変革を

 今日の国としての日本は人口減少、それに伴う市場規模縮小、世界経済における位置づけの後退、国際競争力の低下、環境面における制約、エネルギー問題など多くの課題に直面しています。都市としての大阪も同じく人口減少・経済力の地盤沈下などの課題を有し、大阪市立大学においても2019年の大阪府立大学との法人統合をはじめとし、受験人口減少による大学間競争という大きな課題が突きつけられています。
 そして、我々工学部・工学研究科もこのような大激動の時代の中で、自らの変革が強く求められています。そこで前任の故佐藤嘉洋研究科長の代より研究・教育・国際化・人材確保などに関し変革の必要性を大いに感じ議論を進めてきており、工学部・工学研究科の変革に真剣に取り組んでいます。 例えば、
  1. 研究に関しては、研究を実施するための校費の適性運用制度を開始したほか研究の“活性化”と“見える化”を目的に「工学研究科教育研究センター」を2018年4月に開設しました。
  2. 教育に関しては、「工学教育改革検討委員会」を学部内に新設し時代に適合した教育システムの構築を目指しています。
  3. 国際化に関しては、海外の大学や研究機関との学術交流協定や学生交流に関する覚書を積極的に締結し、学生の海外派遣・受入など国際交流の増強を目指しています。
  4. 人材育成に関しては、大学院後期博士課程生への経済的支援増強や工学部に興味を持つ女子中高生への応援サイト開設やパンフレット作成、そして女子在学生の就学環境の整備などを推進しています。
 大阪の気質の特徴は、新しいことやタブーに果敢に挑戦するチャレンジ精神旺盛であることであり、本音でことにあたる合理精神にあります。この進取の気性に富んだ地域性を我々も大切にし、今後も大阪市立大学工学部・工学研究科の変革の流れを加速していきます。

共に『変革』を!

 今後は不確定な時代です。そのような時代こそ自分自身が豊かな教養を身につけ、しっかりとした人格形成の上に、様々な専門的素養を修得し、競争力を備えることが求められます。本学では総合大学という「市大」の強みを活かした総合教育科目が、そして小さな組織で学科間・専攻間の垣根が非常に低く分野横断的な交流が盛んである「市大工学部・工学研究科」の特徴を活かした多様な専門科目や技術者倫理などが用意され、正しい倫理感を備えつつ確かな基礎学力と広範な専門知識を身につけることができます。4年次には、これらの知識を活かした実践的教育としての卒業研究に取り組み、社会に出ても十分力を発揮できるような指導を、まさに教員と一対一に近い形で受けることができます。
 人生における大学生時代は人格形成・人間力形成においても最も大切な時期です。その時期はまさに人としての変革期とも言えます。我々は、受験時において自分のやりたいことや進みたい分野のハッキリとした目的意識の高い受験生を求めています。己を知り、叡智を絞り、勇敢に、将来のため、君たち自身のために、大阪市立大学工学部・工学研究科で『変革』に、共に挑み、共に成長して行きませんか!